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鳴海 一雅; 中嶋 薫*; 木村 健二*; 万波 通彦*; 齋藤 勇一; 山本 春也; 青木 康; 楢本 洋
Materials Chemistry and Physics, 54(1-3), p.229 - 233, 1998/00
被引用回数:1 パーセンタイル:8.21(Materials Science, Multidisciplinary)高速クラスターイオンを固体に照射すると、非常に狭い領域に高密度の物質及びエネルギーを付与できるため、単原子イオンを照射する場合とは異なった効果が期待される。膜厚が2-17g/cmの炭素薄膜を透過した0.8MeV/atomのB,B,Bイオンのエネルギースペクトルを半導体検出器で測定し、2つのクラスター照射効果を観測した。まず、クラスターを構成する原子1個当たりの平均のエネルギー損失と0.8MeVのBイオンのエネルギー損失との比の膜厚依存は、薄い膜厚で1より大きくなり、膜厚が厚くなると1に近づくことがわかった。このことは、クラスターに対する阻止能が単原子イオンに対する阻止能を単に積算したものではないことを示している。また、測定に用いた半導体検出器の出力において、パルス波高欠損が観測された。これは、クラスターの持つ高いLETによって半導体中に高密度の電子・正孔プラズマが生成されたため、単原子イオンの場合よりも電子・正孔対の再結合の確率が高くなり、見かけの出力が小さくなったことによる。
神野 郁夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(11), p.1061 - 1064, 1991/11
これまで、シリコン表面障壁型半導体検出器(SSB)の残余損失は、(1)重イオンによって生成されたプラズマ柱が誘電体の性質を持つことから理論的に導出できること、(2)この誘電体効果モデルにより残余損失の実験結果が明瞭に説明できること、及び(3)誘電体効果モデルの遮蔽係数がほぼ電子・正孔対密度に比例することを報告して来た。本論文では、SSBを用いた測定において、重イオンのエネルギーのより正確な導出法、SSB内の重イオンの飛程の導出法、及び粒子識別法の提案を行う。この方法で求めた重イオンのエネルギーと飛程は、計算で得られたそれらの値と良い一致を示した。エネルギーと飛程とから陽子数、質量数を求める方法を確立することにより、SSBを荷重粒子識別検出器として用い得る可能性があめる。
神野 郁夫; 池添 博; 大槻 勤*; 林 修平*; 金沢 哲*; 木村 逸郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(6), p.582 - 584, 1991/06
シリコン表面障壁型半導体検出器(SSB)の残余損失について、101.7MeVおよび133.9MeVのNiイオン、129.8MeVのIイオンを用いて実験を行った。133.9MeVのNiイオンについては、SSBへの入射角度を0、30、45、60度と変化させて、残余損失の入射角度依存性を研究した。使用したSSBの比抵抗は、362cm、1500cmおよび2100cmであった。実験結果は、誘電体効果モデルで解析された。(Iおよび101.7MeVのNiイオンについては、入射角度0度のみ測定した)解析の結果、角度を持って入射したイオンの場合、プラズマ柱の長さが射影された長さ、プラズマ柱内部の電子・正孔対密度が余弦の逆数倍された密度を見做すことにより、よく理解されることがわかった。
神野 郁夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(2), p.87 - 94, 1991/02
シリコン表面障壁型半導体検出器における残余損失を理論的に研究した。電荷収集過程モデルの応用により、残余損失が再結合による損失ではなく、他に原因があることがわかった。残余損失は、誘電体の性質をもつプラズマ柱内部の電子および正孔の動きによって誘起される電荷量が不十分であることによって引き起こされる。電荷収集率を空乏層の厚さ、プラズマ柱の長さおよび検出器の抵抗値の関数として示している。
浅井 雅人; 石橋 優一*; 庭瀬 暁隆*; 牧井 宏之; 伊藤 由太; 佐藤 哲也; 塚田 和明; 坂口 聡志*; 森田 浩介*; 渡辺 裕*; et al.
no journal, ,
発電用の太陽電池はダイオード特性を持つため、放射線検出器、特に高エネルギー重イオン検出器として利用されている。本研究では太陽電池を核分裂片測定に利用することを想定し、様々な種類・エネルギーの重イオンを太陽電池に入射し、その検出器としての応答(エネルギー分解能,波高欠損)を測定した。